こだわり拘る

「TABETE.me」運営のコークッキングが第三者割当増資を実施
JOIN Cafeも参加している「TABETE.me」を運営する株式会社コークッキングが6社を引受先とする第三者割当増資を実施したとのことです。
「TABETE.me」は「まだ安全においしく食べられるのに捨てられてしまう食事をレスキューして惣菜店・飲食店等のフードロス削減を推進する」ことが目的ですから、社会的意義のあるサービスと思います。
社会的意義のあるサービスはビジネスとして成立するとは限りません。サービスの中に収益を得る仕組みを組み込むと、本来の目的(社会的意義)が見え難くなってしまう可能性が高いと思います。収益部分を大きくすると本来の目的(社会的意義)は小さく見えてしまう、本来の目的(社会的意義)を大きくすると収益部分は小さくなってしまう、ジレンマがあると思います。
社会的意義のあるサービスはビジネスとして成立させる可能性がある唯一の方法は、収益部分の小ささを規模で補うことかも知れません。小さな収益でも大きな規模から得れば、ビジネスとして成立する可能性がありますから。
「フードロス」とか「フードシェアリング」とかのキーワードは報道メディアがニュースや特集などで取り上げられることが多いので、「TABETE.me」はテレビのニュースやインターネット系のニュースなどでも多く取り上げられてきました。
「TABETE.me」はサービス開始前後に広告費用を使わずに告知できたのはラッキーでした。
サービス開始前の初期投資が当初の想定より大きくなっている、サービスを開始後の成長スピードが想定より遅い、などがあったのだろうと想像できます。
それでも、サービスを開始して一定期間が過ぎたところでの第三者割当増資実施は良い選択かと思います。
第三者割当増資の実施で財務状況は良くなるでしょうから、「TABETE.me」への設備投資(ソフトウェア開発を含みます)を増やしたり、会社運営を安定させたり、良い人材が確保できたり、など良くなることも多くあると思います。
株式会社コークッキングの第三者割当増資を引受けた引受先は、目的によって3つに分けられると思います。
1つ目は、キャピタルゲインを目的とした投資です。「TABETE.me」を運営している株式会社コークッキングの株価は簿価に近いと思われます。現時点で調達した株式は「TABETE.me」のサービス拡大で値上がりするでしょうから、大きなキャピタルゲインが期待できます。
2つ目は、自社ビジネスとのシナジー効果を期待しての投資です。「TABETE.me」のサービス規模が大きくなれば、「TABETE.me」とシナジー効果のある自社ビジネスも拡大が期待できます。「TABETE.me」のようなサービスを自らが実施することもできるでしょうが、自社実施のコストやリスクを考えると株式会社コークッキングの第三者割当増資を引き受ける方が良いと判断したのでしょう。
3つ目は、自社サービスの提供先確保のための投資です。「TABETE.me」のサービス規模が大きくなれば、設備費用は増大してサービス投資は継続すると想定できます。これらの費用は投資費用より大きくなります。これらを受託できれば、自社サービスが拡大できます。
今回の第三者割当増資を引受けた引受先の目的と増資完了後の資本比率によって、株式会社コークッキングの会社運営は変化するだろうと思います。
「まだ安全においしく食べられるのに捨てられてしまう食事をレスキューして惣菜店・飲食店等のフードロス削減を推進する」ことに邁進して欲しいですね。